柴崎はる特集|グッズ事業部が消えてから女優になった3年と出演58本
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柴崎はる
- デビュー年
- 2023年
- 出演作品数
- 58本以上
デビュー作には、白地に黒の明朝で一文だけが置かれた画がある。性とは関係のない一文で、オナホールを作って売る会社の、その部署の業績だ。
2022年 円安の影響で SODグッズ事業部は大打撃を受けていた (デビュー作のテロップ)
アダルトビデオの一本目に、勤め先の決算が書いてある。柴崎はるはソフト・オン・デマンドの新卒社員で、配属先はオナホールを企画して売るグッズ事業部だった。円安で材料費が上がり、売っても利益が残らない。その部署の社員が、自分の会社の赤字を説明するところから作品に入っている。この会社のこの部署の、この年の事情でしかない一文が、作品の入り口に置かれている。この一文は、あとで重みを変えて戻ってくる。
事務所の島に、白いニットの柴崎はるがノートPCの前にいる。首にはオレンジのストラップと、顔の入ったカード。左に別の女性、右奥には人の背中があり、机の手前に付箋と飲み物が置かれている。どこの会社にもある画で、その中の一人だけがこれから脱ぐ。
言い出したのは本人だと、画面がもう一度だけ念を押す。
私が(膣内の)データを取るって言い出したので (デビュー作のテロップ)
会社が脱がせたのではない。オナホールを作るのに膣内のデータが要り、社員の自分が取ると言った。上司に言われて脱いだのなら、この一文は要らない。自分で言い出したから、括弧付きの言葉が画面に残っている。
2023年5月、デビューの翌月に受けたインタビューで、柴崎はるは出演を決めた経緯をこう話している。
「『よりよいアダルトグッズを作るために、体を張るのも一つの手段だよね』と監督から出演を打診され、グッズ事業部として私にしかできないことだからやりたいと思いました。でも、家族や友人にAV出演のことをなんて話そうか不安がありましたけど、SODstarの神木麗さんにたまたま会った時に、その不安を打ち明けたんです」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
打診はあった。打診の言葉は「一つの手段」で、それを「私にしかできないこと」に言い換え、体を張ることを製品開発の手段のひとつに数えている。オナホールの企画をする社員は他にもいるが、自分の体でデータを取れるのは女性社員だけで、そのなかで手を挙げたのが自分だった。やりたい、までは早かった。不安は、家族と友人にどう話すかに向いていた。
止まったのは会社の外だった。
「はい。話しました。母は私がやりたいことを否定しない人なんですけど、AV出演を話したら、『だまされている』って言ったんです。そこで、私は自分の意思で決めて、こういう仕事でも頑張っていきたいと何度も話したら理解してくれました。その後、父も説得してくれたみたいで、いまでは『AV出演を決めたのであれば、ちゃんと頑張って』と言ってくれています」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
母の最初の言葉は「だまされている」だった。娘のやりたいことを否定しない人が、この件だけは最初に否定した。何度も話して、父が母を説得して、最後に「ちゃんと頑張って」が出る。家族の三人が、この一段落だけで見える。母が最初に疑ったのは、娘をだました誰かの存在で、そこを自分の意思だと何度も言い直した。会社の中では自分から言い出し、会社の外では何度も説明した。そのうえで脱いでいる。
2026年9月1日に配信された最新作が、数えて58本目だ。デビューからここまで、ほとんど月を空けずに新作が出ている。
事業部はもう無い。柴崎はるは会社を辞め、SODSTAR専属の女優としていまもカメラの前にいる。オナホールを売るために脱いだ社員が、売る部署ごと消えて、それでも残った。無理だと先に言ってから、結局やる人の記録だ。
高齢者の性欲は、誰の仕事なのか
SODの公式特設サイトには、柴崎はるの入社動機が本人の志望理由として載っている。
■入社動機:高校時代から介護の勉強や実習を行っていた。 大学のある授業で、「高齢者の性」について深い関心を抱き、 性欲を満たせない高齢者や介護者に向けたアダルトグッズを開発したいと思うようになる。 ソフトオンデマンドが新しいアダルトグッズ事業を展開していることを知りグッズ事業部に応募を決めた。 (SOD公式特設サイト・SOD女子社員時代のプロフィール)
介護を学んだ人間が、高齢者の性欲を満たす道具を作りたくてアダルトメーカーに応募した。入り口は介護で、出口がオナホールだった。そのためにグッズ事業部へ応募している。高齢者の性を扱う授業が大学にあり、そこで関心を持ち、それを満たす道具を作っている会社を探して見つけたのがSODだった。
同じ動機を、本人は2023年5月のインタビューで実習の場面から話している。
「高校生の頃から介護や看護の勉強をしていたんですが、介護実習に行った時、男性の高齢者が私のお尻や胸を触ってくることもあったんです。あと、おむつ交換は女の子にしてくれというリクエストもあるんです」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
実習先で、高校生の柴崎は男性の高齢者に尻と胸を触られている。おむつの交換は女の子に頼む、という注文もあった。ここまでは被害の話で、多くの実習生はここで介護から離れるか、黙って続けるかのどちらかを選ぶ。柴崎はるは三つ目を選んだ。
「介護や看護は患者さんの生活の質を高めるようにしましょうと言われているんです。食欲、睡眠欲、性欲はみなさんあるじゃないですか、でも、介護の世界では性欲に触れることはタブーなんです。そこで性欲をタブーにすることが、患者さんの生活の質を本当に高められているのかなって疑問を抱いたんです。その疑問を持っている私が動けば、なにかを変えていけるんじゃないかなと考えたんです。学生の頃からSODの作品は観ていて、面白くてぶっとんだ企画がたくさんあるので、この会社なら私がやりたいことを応援してくれるんじゃないかなと思い入社しました」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
触られた経験を、制度の側の穴として読み替えている。食欲と睡眠欲は満たしてよくて、性欲だけが触れてはいけないものとして残っている。その線引きが患者の生活の質を本当に上げているのか、と疑い、疑った自分が動けば変わると考えた。就職先の選び方も同じで、学生のころから観ていた会社の企画がぶっとんでいるから、自分のやりたいことも通るだろうと踏んでいる。無理だと言う前に、まず「私が動けば」で進路を決めている。会社に入る前の言葉で、無理だと先に言う順番は、ここではまだ始まっていない。
履歴書の一行が、のちに配役になった例もある。
■特技:空手(10年間 習っていた 黒帯) 書道:10年間習っていた・師範(小学6年生まで教えられる資格) (SOD公式特設サイト・SOD女子社員時代のプロフィール)
空手は黒帯で、書道は小学六年生までを教えられる師範だという。専属になってからの作品に『催罠光線で支配された空手美少女』がある。社員時代のプロフィール欄に書いた特技が、題名に入った。熊本県の出身で、身長は155cm。
いつも働いている場所で
柴崎はるは、毎朝通っている建物で脱いでいる。撮影場所を訊かれたときの答えは短い。
「いつも働いている場所でした(笑)。みんなに見られているのもかなりの興奮材料になりました」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
机の向こうにいた同僚が、カメラを構えている。見ているのは昨日まで一緒に働いていた人間で、その条件が興奮の材料に数えられている。恥ずかしいまま撮って、それを材料と呼んだ。翌日も同じ建物に出社する人の言葉だ。
画面には、名前より先に肩書きが出る。
グッズ事業部 柴崎はる(入社2年目) (デビュー作のテロップ)
水色のハイネックにオレンジのストラップで、正面を向いている。画面の右に、肩書きの文字が乗る。ハイネックの襟は首まで詰まり、ストラップだけがその上に出ている。部署と入社年次で紹介される社員の、その日の格好だ。女優名で紹介される作品なら要らない一行が、顔の横に置かれている。
同じ書き方で紹介される社員が、この会社には何人もいる。違うのは、柴崎はるが自分の部署の商品のために脱いでいることだ。
宣言の一文もある。
柴崎はる、AV出演します。 (デビュー作のテロップ)
鎖越しに、正面を向いている。顔の手前を鎖が横切り、画面の下にその一文がある。鎖と文字と、正面を向いた顔の画だ。出演します、の一文が、鎖越しの顔の前に置かれている。本人が自分で言う画だ。
主語が本人で、述語が「します」の一文だ。会社が社員を出演させる文なら、主語は会社に移る。ここでは社員が自分で出ると言っている。
商品ページの言葉を引く。
グッズ事業部2年目柴崎はるは誰よりもピュアで誠実!芯がある! 空手はなんと黒帯で書道も師範なんだとか!そして見た目とのギャップがヤバい!SEXは超エロかった…! キスもフェラチオも挿入も奥も全部好きだった…。新商品のオナホール開発の為、 彼女は自分の膣内をサンプルデータとして分析する為にある決断をする…。 (FANZA商品ページ/SOD公式特設サイト・デビュー作の紹介文)
決断の中身は、自分の職場で、同僚の前で脱ぐことだ。膣内のデータは、実際に挿入して測るしかない。オナホールの新商品のために、社員本人が測定の対象になる。キスも挿入も奥も全部好きだった、という一文は、測定のはずだった撮影が測定で終わらなかったことを言っている。空手の黒帯と書道の師範は、ここでも先に出る。会社の中で通っていた真面目な社員の顔が、売り場に持ち込まれている。ギャップ、と呼ばれているのはその顔と、脱いだあとの落差だ。
この一本に付いたレビューは117件で、2026年9月の時点で、出演作の中でいちばん多い。売り場で最初に開かれているのは、いまもこの社員名義の一本目だ。
デビューの翌月、抱負を訊かれた答えには、脱いだ理由がまだ生きている。
「アダルトグッズを作るいい材料がたくさん増えたので、今回は体を張ってよかったです。これからよりよいアダルトグッズをたくさん作って、『SODのオナホじゃないとダメ』って言わせるくらいの商品を作りたいです」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
体を張った成果は、作品ではなく材料だと言っている。撮影で得たのはオナホールを作るためのデータで、目標は『SODのオナホじゃないとダメ』と客に言わせる商品だ。『SODのオナホじゃないとダメ』は客の言葉で、自分の作った商品を客がそう呼ぶところまでを目標にしていた。女優としての抱負が、この答えのどこにも無い。この抱負がどうなったかは、あとの章で本人が話す。
フローリングの床で腕相撲をしている画がある。ベージュのニットの袖から出た腕に、黒い服の腕が組み合っている。相手は黒い服の腕だけが写っていて、顔は無い。膣内のデータを取ると言い出した社員が、床の上で相手と力比べをしている。この画は、あとで本人の言葉と一緒に戻ってくる。
灰色のクッションの上で、紫のフリースの袖から出た両手が組まれている。顔は写らず、指を組んだ手だけの画だ。打診にやりたいと早く答えた人の作品に、組んだ手をクッションの上に置いただけの画が一つ入っている。言い出したので、と画面に出す人の作品に、こういう手の画もある。
髪は耳が出る短さで、この作品では前髪が眉にかかる長さに揃っている。耳が出る短さは、専属になってからの作品でも変わらない。
白い部屋で、黒いトップスの男性に抱きついている。目を閉じ、眉が寄っている。男性の膝の上に乗って、両腕を首に回している画もある。事務所の島で社員証を下げていた人と、この距離にいる人が、同じ一本の中にいる。
照れ屋だけどスケベっぷり半端ない ショートカットが可愛らしい入社2年目グッズ事業部 柴崎はるAV出演(デビュー)!
FANZAで詳細を見る事務所から一歩も出ない
自分の体でおもちゃを比べた人が、オナホールへの興味を訊かれて返した答えは、作りの話だった。
「どういう構造なのかなと興味はありました」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
どう作られているかに関心がある。興味があったかを訊かれる場面で、作りの話を返している。グッズ事業部の社員の答えで、この目線のまま、おもちゃを自分の体で試す作品が撮られた。
おもちゃ開発で大絶頂ドキュメント! 女性用アダルトグッズの研究で実際に試して気持ち良さを追求するうち気づけば何度もイっちゃってました…! ショートカットが可愛らしいグッズ事業部 入社2年目柴崎はる (FANZA商品ページ・作品タイトル)
研究、と題名にある。女性用のアダルトグッズを実際に試して気持ち良さを追う、という業務の体裁で、試しているうちに何度もイってしまった、と続く。研究の側から入って、体の側に出た一本だ。
画面の帯も事務的だ。
電マ・ローターの分析研究 (おもちゃ開発作品のテロップ)
白いトップスで、右手にタブレットを持っている。奥にホワイトボードの手書きと商品棚があり、画面には黄色い帯でその文字が乗る。タブレットを持つ手も、ボードの手書きも、社内の打ち合わせの画で、帯の文字だけが電マとローターを言っている。会議の議題のような帯の言葉と、タブレットを持つ手が、同じ画に収まっている。
色んなディルドのハメ比べ研究 (おもちゃ開発作品のテロップ)
白い机の前で、白いリブハイネックに社員証を着け、目を落としている。机の上には箱と筒状の商品が並び、黄色い帯にその文字がある。伏せた目の先にあるのは商品で、社員証を首に下げた人が、机の上の物を見ている。帯の言葉はハメ比べで、目を落とした先には比べる物が並んでいる。
顔の寄りで、両手で白い電マを持っている。ベージュのリブハイネックの襟の上で、口角が上がって上の歯が出ている。どういう構造なのか、と答えた人が、その構造を持つ道具を両手で握って笑っている。上の歯を見せるこの笑い方は、路上でも居酒屋の個室でも同じ形で出る。
白い机の上に座っている。左右にスーツの女性が2人いて、1人はバインダーを持つ。左にモニターがあり、別の角度からの映像が映っている。机の上にいる人だけが試される側で、スーツとバインダーは記録の側だ。バインダーは、比べた結果を書く側の物だ。研究の体裁が、この画では崩れていない。
社員証のストラップを着けたまま脱いでいる。裸の首に、オレンジのストラップと顔の入ったカードが下がっている。ハイネックもトップスも無くなって、首に下げた社員証だけが事務所の物として体に残っている。オレンジのストラップは、デビュー作で事務所の島にいたときの物と同じ色だ。
どの画も、背景は事務所か商品棚だ。白い施術台の画にも、机の奥に掲示物の壁がある。外のスタジオに移った画が無い。
この作品を、本人が名指ししている。転身作を撮り終えたあとの、2024年4月のインタビューで、体の変化を訊かれたときの答えだ。選んだのは社員名義の作品からだ。
――この1年間で開発された部位はありますか?
「もともと全身が性感帯だから、新しくここが気持ちいいと気が付いたことはないんですけど、これまでの自分の絶頂点よりも、さらに上があったんだっていう気付きはありました」
――突き抜ける瞬間は分かりましたか?
「『もう無理なんですけど』ってなっている時でも、愛撫や挿入を続けられると飛び抜けます」
――その作品はどれですか?
「一番最初に突き抜けたのは、『おもちゃ開発で大絶頂ドキュメント!(略)』です。最初から最後まで感じました」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
「もう無理なんですけど」の先に、まだ上があった。愛撫と挿入が続けられると、無理だと思った地点を越える。そう答えたうえで、最初にそれが起きた作品として、この研究の一本を挙げた。題名の研究は業務の言葉で、本人の言葉は「もう無理なんですけど」で、二つの言葉が同じ事務所の中で重なっている。飛び抜けたのは、体の側だ。その最初の一本が、事務所を一歩も出ずに撮られた作品だ。
白い床に仰向けで、口を大きく開けている。首のストラップが、顔の横に落ちている。同じ白い床で目を閉じ、髪が汗で頬に貼りついている画もある。社員証のストラップは顔の横に落ち、頬の髪は汗で貼りつき、事務所の中で、もう無理なんですけど、の先に行った顔がここにある。
おもちゃ開発で大絶頂ドキュメント! 女性用アダルトグッズの研究で実際に試して気持ち良さを追求するうち気づけば何度もイっちゃってました…! ショートカットが可愛らしいグッズ事業部 入社2年目柴崎はる
FANZAで詳細を見る出来るわけがない、と路上で言う
マジックミラー号に乗る作品で、柴崎はるは誘う相手のことより、自分のことを口にしている。
何より陰キャなんですよ (マジックミラー号作品のテロップ)
ソファで、両手を胸の前に置いている。画面にはオレンジ色の文字で、その一言が乗る。胸の前の両手は、相手に向かって開かれてはいない。両手を胸の前に置いて自分を陰キャと言う人が、この作品では誘う側に配られている。誘いに行く人の両手が、自分の胸の前に置かれている画だ。
逆ナンパをやる作品の中で、まず自分を陰キャだと言う。人に話しかけるのが仕事の日に、話しかける側の資格が自分には無いと申告している。
もう一段、はっきり言う一文もある。
私が出来るわけがない… (マジックミラー号作品のテロップ)
屋外の、ガラス張りの建物の前で横を向いている。ピンクの文字で、その一文が画面にある。顔が横を向いていて、正面を向いた紹介の画とは目の向きが違う。ソファで陰キャと言った人が、建物の前では横を向いている。出来るわけがない、は横を向いたまま出た言葉で、誰かに向けた顔をしていない。
企画の条件は、街で誘った相手と車内で3人と成立するまで家に帰れない、というものだ。その条件の企画の中で、この一文が画面に出ている。無理だと先に言う、の最初の完全な形がここにある。デビュー作で「言い出したので」と言った人が、ここでは無理だと言う。
髪型のことも、本人が話している。
「新しい美容室に行って完全にミスられたんです。完全にミスられて、最初はこれよりヤバい髪型になっていたんです。だから、また新しい美容室行き、『なるべく人前に出られるくらいの髪形にしてください』とお願いをして、この髪形なったんです」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
この作品では、前髪が横一直線に切られている。耳が出る短さは変わらず、前髪の線だけが、眉にかかっていたデビュー作と違う。
マッシュルームカットは、キャラクターの造形ではなく美容室の失敗だ。失敗したあと別の店に行き、なるべく人前に出られるくらいに、と頼んで落ち着いた髪型で、路上に立って知らない人を誘っている。人前に出られるくらい、が本人の要求の上限だった。その上限の髪で、車に乗せる側をやる。
乗ること自体は、願望だった。
「マジックミラー号の作品にはずっと出たい気持ちがあったんです。入社前からこういう系統の作品は好きで観ていたから、1回くらい乗りたかたんです。その夢が叶ったという意味で一番印象深いです。作品では『オナホ―ルのモニターになってくれませんか』と逆ナンパをするんですけど、逆ナンパも初めての経験だったので、いろいろと新鮮なので思い出があるんです」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
入社前から観ていた車に、社員として乗った。夢が叶ったと言い、画面では無理だとも言っている。誘い文句は『オナホールのモニターになってくれませんか』で、口説き文句ではなく営業の道具だ。グッズ事業部の社員が、自分の部署の商品のモニターを路上で募集し、その名目で車に乗せる。逆ナンパも初めてで、誘う言葉だけが本業から持ってきたものだった。営業の言葉で誘って、車の中で本業とは別のことをする。
題名も疑問形で終わる。
グッズ事業部 柴崎はる マジックミラー号に初めてのドキドキ乗車!リモバイをいれて、マン汁ダラダラで誘惑して逆ナンパ成功!? (FANZA商品ページ・作品タイトル)
成功、のあとに「!?」が付いている。リモコンのバイブを入れたまま路上に立ち、濡れたまま誘って、それで相手が乗るかどうかは題名の時点で決まっていない。陰キャだと自分で言い、無理だと画面で言った人が、路上に出ている。
路上で、口を大きく開けて笑っている。上の歯を見せて笑う顔だ。帯には、出演させようとする側の人の名前が乗っている。事務所で電マを両手に持って笑った顔と同じ形で、場所が路上に変わっている。陰キャなんですよ、と言った人が、路上でこの顔をしている。
車内のソファに四つん這いで、裸に社員証を着けている。右手にはオレンジの飲料ボトル。社員証のストラップを着けたまま脱いでいるのは事務所の作品と同じで、飲み物を右手に持ったまま四つん這いになっている画は、この一本にしか無い。営業の道具で誘った社員の、車内での格好だ。
車内で、白いブラウスとスカートのままソファに仰向けになり、眉が寄っている。サーモンピンクのハイレグで仰向けになり、口が開いている画もある。出勤の格好と水着で二度、同じ車の中で顔が崩れている。
売る部署が無くなる
柴崎はるがグッズ事業部に配属されたのは2022年、新卒での入社だった。デビュー作は翌年の4月11日に配信され、部署の商品のために脱いだ社員の一本目がそこに並んでいる。
その部署が無くなったのは、2023年の暮れから2024年の初めにかけてだ。デビューから年を越すか越さないかのうちに、脱ぐ理由だった部署のほうが先に消えている。
2024年4月18日のインタビューで、本業の調子を訊く問いに、答えが崩れている。
――AV出演も毎月していますが、現在、本業はどんな調子ですか? アダルトグッズはコロナ禍の中で売り上げを伸ばしていましたので。
「それが・・・」
――暗い顔をしていますがどうかしましたか?
「私が配属されたグッズ事業部が数か月前、売り上げ低迷のためなくなってしまいました・・・」
――去年インタビューした時は、やる気まんまんだったじゃないですか!
「それが円安の影響を受けてしまい、業績がなかなか回復しなくて・・・」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
売る部署がなくなった。脱いだ理由は、その部署の商品を売ることだった。デビュー作の画面に出ていた円安の一文は、社員が自分の部署を立て直すために脱いだ、という説明だった。前年に『SODのオナホじゃないとダメ』と言わせたいと話した人が、一年後に「それが・・・」から答えている。聞き手は前年の本人を「やる気まんまん」と覚えていて、その落差を本人の前で口にしている。
デビューからこのインタビューまでに出た社員名義の作品は15本で、本人が頂点と名指しした研究の一本は、その3本目にあたる。新作が途切れないまま、出る理由の側が先に無くなった。
原因を訊かれた答えも、円安で止まらない。
――そのVR作品をきっかけに売り上げがアップすればよかったんですけどね。
「商品を出す手前までの段階しかいけなかったので、 実際、世には出なかったんです。試作段階の時点でグッズ事業部がなくなっちゃいました」
――出演者としては恵まれていたけど、社員として恵まれていなかったんですね。
「頑張りが足りなかったんでしょうね」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
作っていたオナホールは、試作の段階で止まった。材料費と為替の話を自分でしたあとで、原因を自分の頑張りに引き取っている。聞き手は「社員として恵まれていなかった」と言い、本人はそれを受け取らない。為替のせいだと言える場面で、言わなかった。部署が無くなったことを円安の話として語れるのに、自分の頑張りの話として語っている。
試作のオナホールが一般の目に触れた場所は、VR作品の中だけだった。
【VR】SOD女子社員 柴崎はる初VR 『もしも僕がSODに入社したら…同期のグッズ事業部 柴崎はるとこっそり社内恋愛!! はるちゃんからのお願いでおナホのモニター調査「ねぇ、私のナカとおもちゃのナカほんとはどっちが気持ちいいの?」新商品開発のプレゼンに向けて…』 (FANZA商品ページ・作品タイトル)
同期の社員と残業中に、自分が関わったオナホールを相手に試させ、自分の中とどっちが気持ちいいかを訊く。新商品開発のプレゼンに向けて、と題名にある通り、作中ではまだ商品が出る前提だった。実際には出なかった。自分が作ったものに作品の中で触れてもらえたことを、本人は喜んでいる。売れなかったものが、この一本の中でだけ製品の顔をしている。同期、残業、プレゼン、モニター調査と、会社の言葉ばかりで組んだ場面で、比べているのはオナホールと自分の中だ。
廃止は、公式の密着動画の題名にもなっている。
【密着】柴崎はる監督への道~グッズ事業部の廃止…制作部へ異動した女性ADの撮影仕事 (SOD公式YouTube密着シリーズ・動画タイトル)
廃止、と異動が、一つの題名に並んでいる。部署が無くなったことと、その社員が別の部署に移ったことが、題名の一行で分かる。
頭ブッ飛んでる側に回る
マジックミラー号の作品の中で、柴崎はるは制作部をこう言っている。
いや本当に制作の人って 頭ブッ飛んでるから (マジックミラー号作品のテロップ)
歩道を歩く途中の画で、口を開けて話している。画面にはピンクと黒の文字で、この一言が乗る。歩道で、誘う相手の話をせずに、制作部のことを口にしている。
グッズ事業部の社員が、隣の部署を外から評した一言だ。企画を考える側の人間はどうかしている、と言った本人が、数か月後にその部署に配属される。
出る理由が消えたことを、本人がはっきり言っている。
「AVに出演したきっかけもそのグッズ事業部のPRのためだったんですけど、グッズ事業部がなくなった時点で、私がAVに出る意味がなくなってしまったんです・・・」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
脱いだ理由は部署の宣伝だった。部署が無くなれば、出る意味も無くなる。本人がそう言っている。ここで辞めていれば、社員が部署のために脱いで、部署ごと消えた、という話で終わっていた。終わらなかったのは、出る意味が無くなったあとも出演が続き、同時に裏方に回ったからだ。
制作部に移ってからは、ADとして現場に立ちながら出演も続けた。裏方に回ってみて、自分が出ていたときにスタッフがどこを見ていたのかを、今度は自分の目で見ている。
監督を目指した先で、何が起きたかも話している。
――いま制作部のADとして頑張っているということは、今後はどうなるんですか?
「制作部として監督を目指しているんですけど、企画会議でなにを描きたいのか分からないと指摘をされて、壁にぶち当たっているんです。結局、自分の描きたいエロが見えてこなかったんですけど、配信の作品をやってみないかと、お声がけをいただいたので、私が監督として作品を撮らせてもらったんです」
――起死回生のチャンスです!
「でも、『こういう撮り方をしいた』と演者に上手く伝えられなくて、撮影もすごいグダグダになって、いろんな人に迷惑をかけてしまったんです」
――ありゃりゃ・・・。
「それで私はもう監督に向いていないんじゃないかと落ち込んだんですけど、その時、上司のプロデューサーに『話を聞くよ』と言われ、相談していくうちに、私は撮る側よりも出る側だった時の方が楽しかったと気が付いたんです。それを聞いた上司が制作部としてではなくて、『SODstar』専属女優として活動をしたらどうかという話をもらたったんです」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
企画会議では、何を描きたいのか分からないと言われ続けた。それでも配信作品を一本、監督として撮っている。撮り方を演者に伝えられず、現場が崩れ、迷惑をかけた。監督にならなかったのではなく、一本撮って終わった。落ち込んだ先で上司に相談し、出ていたときのほうが楽しかったと気づく。専属女優の話は、その上司から来た。自分で描きたいものが見つからなかった人が、人に撮られる側に戻ることを、相談の中で自分で言い当てている。頭ブッ飛んでる側に回って、回りきれなかった。
その失敗にも、密着の動画がある。
【密着】緊張の企画プレゼンでダメ出しの嵐 制作部柴崎はる (SOD公式YouTube密着シリーズ・動画タイトル)
企画が通らないところを、会社が題名にして公開している。ダメ出しの嵐、と付けたのは、その会議を開いた側だ。
【密着】柴崎はる〇V監督デビュー!しかし撮影現場で最悪のハプニング… (SOD公式YouTube密着シリーズ・動画タイトル)
監督として撮った一本の現場が崩れたことも、最悪のハプニング、として同じチャンネルに並んでいる。社員の失敗を、メーカーが密着の題名にして外に出す。柴崎はるの経歴で会社が隠したものは、いまのところ見当たらない。
私には無理に決まっているじゃん
辞めるかどうかで揺れていたところにも、カメラが入っている。
【密着】退職するか否か…自宅でインタビュー。葛藤の極致 (SOD公式YouTube密着シリーズ・動画タイトル)
退職するか否か、が題名で、場所は自宅だ。会社を辞める話を、その会社のチャンネルで撮っている。
悩んだ理由を、本人はこう話している。
「『会社を辞めて女優として活動するのはどう?』とすすめられてから結構悩んだんです。グッズ事業部でも制作部でも、なにもなし得ていない、すごい中途半端な社員だったじゃないですか。自分が定めた目標を全部達成出来ていないから、そんな状態で『SODstar』専属女優になるのはどうなんだろうって悩みました」
「かなり悩みましたけど、いまいる制作部として、やりたいことが分からないままいるよりは、演じること、出演することが楽しかった女優業を突き詰めていく方が、自分には合っているんじゃないかと思い、その話を受けることにしました」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
悩んだ理由は待遇でも世間体でもない。グッズ事業部で商品を出せず、制作部で監督を続けられず、自分で決めた目標を一つも達成していないことだ。中途半端な社員のまま専属になっていいのか、と考えている。専属になるのはどうなんだろう、という問いは、なりたいかどうかではなく、なる資格があるかどうかを訊いていて、資格は目標の達成で測るものだと本人が決めている。その物差しで測ると、自分は中途半端だった。受けた理由も、やりたいことが分からないまま制作部にいるより、楽しかった側を突き詰めるほうが合っている、という消去法に近い。辞めて専属になる、を出世として語る言葉が、本人の口から一つも出ない。
専属の座が見えていたか、と訊かれたときの答えが、柴崎はるの言い方をいちばんよく表している。
――去年の出演時に『SODstar』女優の座をつかめると思っていましたか?
「『まさか、嘘でしょ!』っていう気持ちがすごい強かったです。『私には無理に決まっているじゃん』って思いました(笑)」
――女子社員出演者として人気があり、毎月定期的に作品が出ていたから、こうやって花開いてるわけですよ。
「開いてるんですかね?」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
無理に決まっている、と先に言う。相手が花開いていると言えば、開いているのか、と訊き返す。自分の側から出来ると言った箇所が、この問答には無い。花開いている、という評価は毎月作品が出ていたことから来ていて、本人はその評価を自分のものとして受け取っていない。受け取らないまま、専属の話だけは受けた。
会社を辞め、SODSTAR専属としての一本目が配信されたのは2024年4月23日だ。社員名義の一本目から、一年と少しがたっている。
転身作の画面にも、決める途中の言葉が残っている。
SODstarになれるのだろうか (転身作のテロップ)
窓際に、ベージュのニットの背中と後頭部がある。顔が写らない画で、白抜きの問いだけが乗っている。後頭部の髪は耳が出る短さだ。なれるのだろうか、と問う顔を見せずに、背中と後頭部だけで、受けたあとの作品に決める前の問いを置いている。顔を見せない画に問いがあり、顔の寄りの画には言い切りがある作品だ。
私にはまだ何も武器がないけど (転身作のテロップ)
公園の木立の中に、緑のカーディガンで立っている。白抜きで、その一文が乗る。事務所の外、車の外で、机も商品棚も無い木の間に立ち、武器がない、と言っている。武器を数える場所として、会社の外の木立が選ばれている。
8人を数える
転身作の中身を聞かされたとき、柴崎はるの口から出た言葉は、それまでと向きが違う。
「『やったー! ご褒美だ!』って思いました」
「ずっと気持ちいい状態が続くから複数プレイは好きです!」
「快楽しか考えられなくなるし、一対一よりも集中できるし、大人数作品は好きです」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
この一点だけは、先に適性として挙げている。相手が多いほうが集中できる、と言い、それをご褒美と呼んだ。一対一より集中できる理由は、快楽しか考えられなくなるからだと本人が続けていて、相手の数が増えるほど考えることが減る。無理だと言う順番が、ここでは省かれている。
売り場の言葉には、迷った期間が残っている。
SOD女子社員柴崎はるがSODstarの女優として電撃転身!SODstarの女優になってもいいのかとプレッシャーを感じていた。自分にしかできない事を全力で行う事を決意した柴崎は前代未聞の5PSEX×5PSEX×9PSEXの3本番SEXに挑む。中出し発射合計17発!彼女の本気と覚悟をご覧ください。 (SOD公式特設サイト/FANZA商品ページ・転身作の紹介文)
なってもいいのか、と迷っていた。デビューを決めたときに「私にしかできないこと」と言った人が、転身作でも「自分にしかできない事」を決意している。そのやり方が、一度に相手を増やすことだった。迷いを消してから売るのではなく、迷っていたことごと売っている。
相手を数えようとしている。
「8人って私が想像していたよりも多いなって思いました(笑)。8人って数も存在も分かりますよ(笑)。でも、裸になって実際目の前に立たれると、『アレッ! こんなにいたっけ!?』ってなります」
「途中から『どこを触られているんだろう?』ってなるし、『いま誰のチ〇チンを舐めているんだろう?』って考えちゃいました(笑)」
「交代でチ〇チンが入れ替わるから、『人が変わったの? 変わっていないの?』って考えちゃうんです(笑)」
「本当にすごい楽しかったんです。でも、誰のチ〇チンなのか分からないのが、私はすごく気になるので、5Pがちょうどいいなと感じました」
「舐めたり、挿入されたりしている時、チ〇チンが変わったなっていうのは分かりますし、太さや硬さで相手の興奮度が分かわかるんです」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
数として8人は分かっていた。裸で目の前に立たれて、こんなにいたのか、と数え直している。誰に触られているのか、誰のものを舐めているのか、人が変わったのか変わっていないのか。物量の企画に出ながら、相手を一人ずつ数えようとして、数えきれない。だから5Pがちょうどいい、と答えている。太さと硬さで相手の興奮度が分かる、とも言う。分からなくなる人数の中で、それでも一人ずつ見分けようとしている。
本人がご褒美と呼んだ同じ作品に、公式特設サイトはこの言葉を付けている。
誰よりも、がむしゃらに。 努力し続けるしかないんだ。 (SOD公式特設サイト・転身作のキャッチコピー)
努力し続けるしかない、と会社が言い、本人はご褒美だと言う。同じ一本を、二つの言い方が挟んでいる。転身作は本編だけで終わらず、『一人の女子社員がAV女優になるまでの軌跡』と題したドキュメンタリー作品も同時に発売された。
画面の言葉も、転身作では言い切りに変わる。
私に出来る最大限のSEXを届けたい (転身作のテロップ)
木立の中で、緑のカーディガンに白いタンクトップで横を向き、口角が上がっている。白抜きの一文がその画に乗る。タンクトップの上にカーディガンを羽織った、私服の画だ。武器がない、と木立で言った人の作品に、横顔で最大限と言う画も入っている。
SEXが好きという事は、誰にも負けない。 (転身作のテロップ)
顔の寄りで、緑のカーディガンの袖の左手が、緑の布を口元へ寄せている。白抜きで、誰にも負けない、の一文が乗る。布とカーディガンが同じ緑だ。本人の言葉でいちばん強い一文が、口元に布を寄せた顔と一緒に置かれている。
事務所で、ベージュのニットにオレンジのストラップを着け、両手を合わせて話している。奥にはコピー機。専属になる作品の中に、社員証を首に下げた画がまだ入っている。デビュー作で島にいたときと同じ、オレンジのストラップだ。辞める人の作品に、辞める前の格好が残っている。
同じ作品に、海辺の画がある。青いロングワンピースで砂浜を歩く後ろ姿だ。社員証を下げた事務所の画と、社員証の無い海辺の画が、一本の中に両方入っている。この二つを持つのは、この作品だけだ。
緑のソファに仰向けで、複数の裸の人物に囲まれ、口が開いている。仰向けの頬に手が添えられ、目を閉じて眉が寄っている画もある。こんなにいたっけ、と数え直した人の顔が、頬に置かれた誰かの手の下で目を閉じている。誰の手かは、本人にも分かっていない人数の中だ。
SODstarに転身デビュー!3本番SEX オール5P以上×17発大量中出し 柴崎はる(元SOD女子社員)【圧倒的4K映像でヌク!】
FANZAで詳細を見る社員証がもう一度出てくる作品では、ストラップの色が違う。
ピンクのストラップ
首にピンクのストラップを下げて、柴崎はるは経理の柴崎さんを演じる。商品ページの言葉で、人物が一文で立つ。
ある日自宅に呼んだデリヘル嬢がなんと同じ会社に務める経理部の柴崎さんだった!?いつも怪しい領収書を突き返してくる生真面目で厳しい柴崎がデリヘル嬢「パン」として僕の自宅にやってきて、口止め料代わりに生本番までさせてもらえることに…。 (FANZA商品ページ・経理部OL作品の紹介文)
怪しい領収書を突き返す経理の女が、デリヘル嬢として同じ会社の男の家に来る。あなたの会社の経理にも、領収書を突き返すときのこの顔をした人が一人いる。領収書を突き返すときの顔と、口止め料の代わりに本番を許すときの顔が、同じ人の中に入っている。源氏名はパンで、経理の柴崎さんとは別の名前で家に上がる。口止め料の代わりに、という条件で、生本番は取引の対価として置かれている。デリヘル嬢としては本番を許さない建前があり、会社員としては副業を知られたくない。二つの立場のどちらも守れない場所に、経理の柴崎さんが立っている。
メガネに、チェックのブラウス。首にはピンクのストラップで、前かがみになっている。奥にロッカーがある。ストラップの色がオレンジではなくピンクで、これは役の社員証だ。メガネをかけた画があるのも、この一本だけだ。経理の柴崎さん、という役の目印が、メガネとピンクのストラップの二つで作られている。
役の建前が剥がされる一文が、画面にある。
会社にデリヘル勤めを内緒にする代わりに生本番出来ることに…♡ (経理部OL作品のテロップ)
顔の寄りで、眉を寄せて男性を見ている。肩は裸で、ブラウスは肩に無い。縦書きの一文が画面に乗る。
会社に黙っておく代わりに、という取引だ。領収書を突き返していた側が握っていたはずの立場が、この一文で男の側に移る。
普段は厳しい経理の柴崎さん 膣奥突かれると即デレ絶頂❤ (経理部OL作品のテロップ)
厳しい、から、即デレ、までの落差が約束されている。約束されているのは、突き返す顔がどこで崩れるかだ。
会社員の役は、繰り返し回ってくる。本物の社員証を着けて撮っていた人が、小道具の社員証を着けて会社員を演じる。
一年前の自己申告と、転身作を撮り終えたあとの言葉が対になっている。
「本当に受け身ばかりでしたので、まだ覚えたエッチな技はないです」 (夕やけ大衆、2023年5月のインタビュー)
デビュー直後は、覚えた技はない、と言っていた。受け身ばかりで、リードされる側だった。
「フェラチオはちょっとずつ上手くなっていると思います。AV出演をすると決めてから、見られることを意識し、いろんなサイズのディルドを買い、夜な夜な練習をしました(笑)」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
出ると決めたときから、出る側の技術を練習してきた。買ったのはいろんなサイズのディルドで、時間は夜だ。おもちゃ開発の作品でディルドを比べていた人が、自分の口のためにも買っている。経理部の作品で相手の家に上がるのは、夜な夜な練習したあとの人だ。
浴室で、黒縁のメガネをかけたまま、口が開いている。水色のビキニの紐が見え、泡が腹に散っている。ロッカーの前でかけていたメガネが、浴室の画にもある。経理の柴崎さんの目印が、泡の中で顔に残っている。服を脱いだ画でも役の目印が顔に残るのは、事務所で社員証が首に残ったのと同じ型だ。
ベッドに仰向けで、口が開いている。枕はチェック柄だ。横向きの顔の寄りで、目を閉じている画もある。厳しい、と紹介された顔が、枕の上で目を閉じている。
デリヘル呼んだらいつも領収書を突っ返してくる経理部の欲求不満OLと遭遇「まさか、飲食代で落とさないでくださいよ…」と言いつつ生本番させてくれ自宅でも会社でもヌいてくれる関係に 柴崎はる
FANZAで詳細を見る同じことを、まだ言っている
個室で、両手を広げて前に出している。首には黒いチョーカー、肩にはピンクの肩紐。画面の帯に、課題の名前が乗っている。事務所でタブレットを持っていた手が、個室で両手を広げている。
最新作の画面に、課題の名前が出る。
とびっこ挿入唐揚げ定食ミッション (最新作のテロップ)
とびっこを入れたまま唐揚げ定食、という課題だ。かつて事務所でおもちゃを自分の体で比べていた人が、今度は居酒屋の個室で、課題を受けている。
企画の説明は題名一本で足りる。
柴崎はるちゃんのわ●せつ画像を一斉送信!飲食店の客を遠隔逆ナンパでスゴテク発揮しちゃってください!即尺即ハメSP (FANZA商品ページ・作品タイトル)
飲食店の客に、自分の画像を一斉に送りつけて釣る。路上で一人ずつ誘っていたマジックミラー号から、店内の客をまとめて相手にするやり方に変わった。逆ナンパの企画は、マジックミラー号以来これが二本目だ。
個室で、口を大きく開けて笑っている。画面には、名探偵、の三文字と年齢が乗る。事務所で電マを両手に持って笑った顔、路上で口を開けて笑った顔と、同じ形の笑いだ。三年で部署も肩書きも無くなって、この笑い方だけが変わっていない。
個室で、男性2人とジョッキを合わせ、口を開けて笑っている。クリーム色のリブニットが肩からずれたままだ。ジョッキを合わせる相手は2人で、どちらも男性だ。営業の言葉で路上に立っていた人が、店の個室で、相手2人とジョッキを合わせている。口を開けて笑う顔が、相手2人の前でも出ている。
画面は、柴崎はるをまだ未経験として扱う。
プライベートでも逆ナンパは未経験の柴崎 果たして素人を釣り上げることは出来るのか? (最新作のテロップ)
夜の橙色の灯りの中で、顔の寄りに口角が上がっている。白抜きの問いが、その顔に乗る。出来るのか、と問う文字の下で、問われている本人の口元は上がったままだ。三年前に出来るわけがないと画面に出した人の顔が、同じ問いの下で、上がった口元のまま置かれている。
出来るのか、と問われている。マジックミラー号で同じ役を振られ、「私が出来るわけがない…」と画面に出ていた人が、年数を置いてまた同じ問いの前に立っている。今回、出来るのかと訊くのは周りの側だ。
顔の寄りで、目を閉じ、口が開いている。白いシーツに仰向けで両腕を上げ、首に黒いチョーカーが残っている画もある。個室で着けていたチョーカーが、シーツの上でも首にある。事務所で社員証のストラップを着けたまま脱いだ人が、三年後は店で着けていたチョーカーを首に残してシーツの上にいる。
柴崎はるちゃんのわ●せつ画像を一斉送信!飲食店の客を遠隔逆ナンパでスゴテク発揮しちゃってください!即尺即ハメSP
FANZAで詳細を見る辞めて年数がたった元社員を、会社は同期として数えている。
8/10(月) SOD同期社員イベント!! 2022年入社組 柴崎はるさん(@shibasakiharu2 ) 小野寺舞さん(@onoderamai_ ) ゲンスイ水元(@sod_kmkzcom )AV監督 SODLAND 3F 19:00〜23:00 (SOD LAND公式Xの告知)
同期社員イベント、の枠に、退職した人間が入っている。並んでいるのは同じ年に入った社員と、同じ年に入った監督だ。その監督は、柴崎はるの作品を撮っている。
この監督が撮った柴崎はるの作品は、2026年9月の時点で2本だ。同じ年に入った監督に撮られ、同じ年に入った社員と並んで、辞めた会社の企画に立っている。
本人はイベントのあと、社員に会えたことのほうを先に挙げた。
10日のSOD LANDイベント来てくれた皆さんありがとうございました🥰🫶 舞ちゃんと水元くんとみんなのおかげでめちゃくちゃ楽しかったです!!!🥳 社員の方々にも久々にお会いできて幸🍀*゜でした またいつか3人でイベントできたらいいな😌💭 (本人のX・2026年8月の投稿)
来た客より先に同期の名前が出て、社員の方々、と続く。辞めた会社の社員に久々に会えたことに、幸、の一字を当てている。またいつか3人で、と締めているのは、社員側の企画にまた呼ばれる前提で書いている人の言葉だ。
XとInstagramのプロフィール文は、同じ一文で揃っている。
腕相撲は友好の証💪本気の集団は楽しい (本人のX・Instagramのプロフィール文)
その一文が置かれているのは、X(@shibasakiharu2)とInstagram(@shibasaki.haru)の自己紹介欄だ。
腕相撲は友好の証。勝ち負けのある遊びを、仲良くなる手段として数えている言い方だ。デビュー作の床で、黒い服の腕と組み合っていた画が、この一文で戻ってくる。本気の集団は楽しい、という言葉は、制作部を頭ブッ飛んでる、と外から言った人の言葉でもある。中に入って、監督として失敗して、辞めたあとも、自分を説明する一文として置いているのがこれだ。集団への評価だけを、変えていない。
こんな人に向いている
- 職場そのものが舞台になった作品を観たい人:デビュー作も研究の一本も、撮っている場所は本人の勤め先で、カメラを構えているのは昨日まで机を並べていた同僚だ。裸になっても首にオレンジのストラップが残る
- 売り文句より本人の言葉から入りたい人:部署の廃止も、監督として一本撮って現場が崩れたことも、辞めるまでの迷いも、本人がインタビューで話している。会社の側も密着動画の題名にして出しているので、両側から読める
- 短髪の佇まいが好きな人:耳が出る短さはデビューから変わっていない。前髪が横一直線に切られたマジックミラー号の髪型は、本人が美容室の失敗だと話している
- 会社員の役が似合う人を探している人:本物の社員証で撮ったグッズ事業部の作品と、小道具のピンクのストラップで演じた経理部の作品の、両方がある
出来るわけがない、と言いながら
オナホールを売るために脱いだ社員が、売る部署ごと消えて、監督は一本で終わり、それでもカメラの前に残った。
先に自分が無理だと言い、周りが出来るのかと訊き、最後にやる。入社を決めたときと、デビューの打診に「私にしかできないこと」と答えたとき、転身作の中身を「ご褒美だ」と呼んだときが例外で、あとは順番が変わっていない。路上で無理だと言ってから逆ナンパをし、無理に決まっていると言ってから専属を受け、開いているのか、と訊き返したインタビューが載った五日後に転身作が配信された。最新作の画面が、まだ出来るのかと問うている。
言われる前に、自分で言っている。
「『社員時代はなにもなし得なかったくせに』と思う方も、もちろんいらっしゃるとは思うんですけど、これからは『SODstar』専属女優として、いろんなことに挑戦し、私が目指す目標を掲げ達成出来るように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」 (夕やけ大衆、2024年4月のインタビュー)
なにもなし得なかったくせに、を、言われる側が先に口にした。オナホールは世に出ず、監督は一本で終わった。それを隠さずに、目標を掲げ直すと言っている。オナホールのときは商品という形があり、監督のときは作品という形があった。専属女優として掲げる目標の中身は、この時点では言っていない。掲げた目標がどこまで行ったかは、その後の作品が答えている。
画面の外では、2026年9月18日に秋葉原でイベントがある。その手前の9月1日には、最新作と同じ日にデジタル写真集『好きにしていいよ◇』が配信された。
2026年9月の時点で、2025年までに配信されたSODの作品は全部が月額の見放題にも入っている。2026年に配信された作品は、まだ単品だけだ。最初の一本をどれにするかだけを決めればいい。
無料で流れている動画はある。ただ、それだけで済ませると、この人の作品の入り口にある画を落とすことになる。自分の勤め先で、社員証を首に下げたまま商品を体で試している画だ。気に入った女優を応援したいなら、FANZAで正規の作品を買ってほしい。買った先で、出来るわけがないと言った人が、上の歯を見せて笑っている。
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